沿革

日本ウィリアム・フォークナー協会は、大橋健三郎氏(東京大学名誉教授)の呼びかけに応えて日本のフォークナー研究者有志が集い、協会設立趣意書を準備して1998年5月、京都大学の京大会館で設立総会を開いて発足した。

日本のフォークナー研究は、フォークナーが1955年に来日した縁もあり、アメリカ文学研究の中でも、もともと活発に行われていた。よって協会は、日本のフォークナー研究の基礎を築き、研究の国際的交流を開拓した大橋健三郎氏を初代会長に、200名を超える会員を擁して始動した。副会長には田中久男氏(広島大学)が就任し、事務局は相愛大学の山下昇研究室、編集室は東京学芸大学(後に中央大学)藤平育子研究室、資料室は九州大学の吉崎泰博研究室に置かれた。

1998年10月広島で行われた第1回大会には、協会設立を記念して、サウスカロライナ大学名誉教授ジェイムズ・メリウェザー氏が来日し、特別記念講演を行っている。その後2001年に大橋健三郎氏を顧問とし、2代目会長に田中久男氏、副会長に小山敏夫氏(関西学院大学)が選出された。また事務局は2005年に名古屋市立大学の田中敬子研究室に、資料室は2003年2月より九州大学の小谷耕二研究室に移った。さらに2007年には3代目会長に藤平育子氏、副会長に山下昇氏が就任し、2008年度からは、編集室が武蔵大学新納卓也研究室に移る。

当協会は、毎年、アメリカ文学会全国大会の前後に大会を開き、個人研究発表2~3件と総会、シンポジウムを行っている。大会シンポジウムの成果は、他の投稿論文、特別寄稿、書評などとともに、毎年、松柏社から発行される雑誌『フォークナー』(協会誌)に掲載されている。なお、この『フォークナー』の英語版は、当ホームページ上で電子テクスト The William Faulkner Journal of Japan on the Internet として公開している。協会の通常活動としては、他に年3回(2月、6月、8月)ニューズレターを発行し、6月のニューズレターには、会員による過去1年間のフォークナーまたは南部文学関係の研究書誌が同封される。

当協会設立以来10年間の特筆すべき活動としては、2004年6月の「国際フォークナー・シンポジウム」とその成果である History and Memory in Faulkner’s Novels(松柏社、2005年)の刊行、ならびに 『フォークナー事典』 (2008年) があげられる。

「国際フォークナー・シンポジウム」は、中央大学の援助と藤平育子氏の尽力により、海外から Noel Polk 氏ら5人のフォークナー研究者を招聘し、全国から参加した71名の日本の研究者らと活発な議論が行われた。

『フォークナー事典』は1999年に企画が承認されてから、質量ともに計画が増大し、107名の項目執筆者、および、Noel Polk、Robert W. Hamblin 両氏の協力を得て、ようやく完成にこぎつけることができた。これらの成果を踏まえ、日本ウィリアム・フォークナー協会は、今後さらにグローバルな海外交流を目指して研究活動を続ける予定である。(文責 田中敬子)

学会概要

役員 (第10期 2025~27年度)

評議員 (第10期 2025~27年度)

(五十音順)

顧問

歴代会長

会則

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